みなさま、こんにちは。WSUS サポート チームです。
今回は Windows 10 を新しいバージョンにアップグレードするための機能更新プログラムの延期方法について、ご案内します。
常に最新の機能更新プログラムを適用する運用であれば、特に考慮は不要ですが、社内で使用しているシステムが最新バージョンに対応していない等の理由で、なかなか常に最新の機能更新プログラムを行う運用は難しいという方も多くいらっしゃると思います。今回はそのような方に向けたブログとなります。
まず、機能更新プログラムの配信を制御する方法として、一般的に下記の 2 種類の方法がございます。
- WSUS や SCCM 等を利用して、配信する機能更新プログラムを制御する。
- Windows Update for Business のグループ ポリシーを利用して、機能更新プログラムの適用を延期する。
「1」の方法で制御が出来る場合には、WSUS や SCCM 等で配信を制御すれば問題ないため、このブログでは詳細な説明を割愛させていただきます。
※ WSUS や SCCM をご利用の場合は、このブログで紹介している延期のグループ ポリシーを設定すると、こちらやこちらの事象が発生しますので、ご注意下さい。
今回は「2」の方法で、WSUS や SCCM 等を用いずに Windows Update for Business のグループ ポリシーで制御する方法をメインに紹介していきます。「とにかくサポート期間内に機能更新プログラムは適用したくない!」という方にとって、まず把握していただく必要がある情報は、「サポート期間」と「Windows Update サイト上で、CBB (Current Branch for Business)※ へリリースされた日」となるため、順を追って紹介していきます。
※ 既に Semi-Annual Channel に名称変更がアナウンスされていますが、設定上は Current Branch for Business という表記が残っているため、このブログでは便宜上、CBB (Current Branch for Business) の名称を利用します。特に Semi-Annual Channel に置き換えて読んでいただいても問題ありません。
「サポート期間」と「CBB への機能更新プログラムのリリース日」
これまでの OS と同様にサポート期間が過ぎたバージョンに対しては、セキュリティ更新プログラムがリリースされなくなってしまうため、各 Windows 10 のバージョンのサポート期間については、意識して運用していただく必要があります。サポート期間については、下記の公開情報で正式なご案内しているため、参照してください。
- Windows ライフサイクルのファクト シート
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/13853/windows-lifecycle-fact-sheet
また、Windows Update for Business のグループ ポリシーにて延期設定を行う場合、延期の起点となるのは「延期対象の機能更新プログラムが Windows Update サイトに公開された日」となります。Windows 10 の各バージョンのリリース情報は下記の公開情報がございます。
- Windows 10 のリリース情報
https://technet.microsoft.com/ja-jp/windows/release-info.aspx
しかし、ここで注意が必要なのは、上記で公開されている日付と実際に Windows Update サイト上に CBB としてリリースされた日付に差がある点です。実際には下記の日付に Windows Update サイト上に公開されているため、CBB として設定する場合には、下記の日付を把握しておく必要があります。
- バージョン 1607 の CBB へのリリース日 : 2017/02/02
- バージョン 1703 の CBB へのリリース日:2017/07/27
それでは上記を踏まえて、実際に各バージョンでサポート期間内は、機能更新プログラムが着信しないようにする設定内容を例に紹介していきます。
Windows 10 バージョン 1511 の場合
Windows 10 バージョン 1511 を利用している場合には、下記のグループ ポリシーで機能更新プログラム延期の設定が出来ます。”有効” に設定すると CBB としてリリースされている機能更新プログラムが着信します。
[コンピューターの構成] - [管理用テンプレート] - [Windowsコンポーネント] - [Windows Update]
[アップグレードおよび更新を延期する] を “有効”、期間は “0” ~ “8” ヶ月で指定可
さらに “アップグレードおよび更新を一時停止する” を有効にすると 1 ヶ月間、機能更新を含む全ての更新プログラムの着信を延期可
例えば、実際にサポート期間内は機能更新プログラムを着信しないようにする場合には、下記のように設定をします。
Windows 10 バージョン 1607 の場合
Windows 10 バージョン 1607 を利用している場合には、下記のグループ ポリシーで機能更新プログラム延期の設定が出来ます。”有効” に設定し Current Branch for Business を選択することで、CBB としてリリースされている機能更新プログラムが着信します。
[コンピューターの構成] - [管理用テンプレート] - [Windowsコンポーネント] - [Windows Update] - [Windows Update の延期]
[機能更新プログラムをいつ受信するかを選択してください] を “有効”、 “Current Branch” / “Current Branch for Business”、期間は ”0” ~ “180” 日で指定可
さらに “機能更新プログラムの一時停止” を有効にすると60 日間、機能更新プログラムの着信を延期可
例えば、実際にサポート期間内は機能更新プログラムを着信しないようにする場合には、下記のように設定をします。
Windows 10 バージョン 1703 の場合
Windows 10 バージョン 1703 を利用している場合には、下記のグループ ポリシーで機能更新プログラム延期の設定が出来ます。”有効” に設定し Current Branch for Business を選択することで、CBB としてリリースされている機能更新プログラムが着信します。
[コンピューターの構成] - [管理用テンプレート] - [Windowsコンポーネント] - [Windows Update] - [Windows Update の延期]
[機能更新プログラムをいつ受信するかを選択してください] “Current Branch” / “Current Branch for Business”、期間は ”0” ~ “365” 日で指定可
さらに機能更新プログラムの一時停止を開始する日付を指定することで、指定日より 35 日間延期が可能
例えば、実際にサポート期間内は機能更新プログラムを着信しないようにする場合には、下記のように設定をします。
また新しい機能更新プログラムがリリースされた場合には、随時更新しますので、ご期待ください。
- 参考情報 : Windows Update for Business の構成
https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/deployment/update/waas-configure-wufb
(免責事項)
本情報の内容 (添付文書、リンク先などを含む) は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。